奥井楓

私は夫に嘘をついている。本当の私は気の利かない性格だし、彼知る【私】とは真逆で欲と刺激にまみれた生活を過ごしてきた。けれどそんな生活にふと疲れた時に旦那と出会い、彼の素朴な優しさと誠実さに私は惹かれた。これが本当の愛なのか、ただのきまぐれなのか正直今でもわからないけど、今はこの穏

カラダだけの関係だと割り切ったはずなのに…ほんの火遊び…たった一度きりの気の迷いだったはずなのに…。2人が交わした3つの約束は、【1】互いの生活を詮索しないこと【2】会うのは月に一度だけにすること【3】決して本気にならないこと。しかし、いつの日からか湧き上がって来た「君に会いたい

祖父の葬儀に出席した姉妹夫婦。滞りなく式も終わった頃、故人からの遺言書が出て来た。そこには「遺言者は次の財産を、遺言者の孫 楓とみすずに相続させるものとする。金40000000円 尚、相続割合はそれぞれ二分の一ずつとする。」と記されてた。しかし、その条件は夫婦間の愛情と信頼に対す